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第5回 存在理由とメッセージ


前回の続きで、今回は、「10年後に生き残る3%に入る」ために何をすべきか、をポイントに話を進めていきます。


以前、「マインド」に関して、以下の5つが全て矛盾せずに揃っていることが必要だと書きました。(詳しくは第2回参照)
  「@存在理由」(最終消費者との関わり)
「Aバリュー」(付加価値、企業姿勢、オリジナリティー)
「Bポジショニング」(事業内容、位置づけ)
「Cメッセージ」(社会貢献、社会への影響)
「Dベクトル」(企業理念、事業の目的と理由)
上記をふまえて、ここでちょっとした質問をいたします。

◆A もし競合他社が一切いなかったなら、御社の商材は市場を独占して大ヒットするのでしょうか?
    ・・・これは、売手本位の思考を捨て、買手本位で御社の「必要性(@存在理由)」を計る問いです。

◆B 御社は多くの競合他社と「同一市場へ同一商材を同一サービスで提供」していませんか?
    ・・・これは、御社の「存在価値(Aバリュー+Bポジショニング)」を計る問いです。

もし、Aの設問で「?」がつくのであれば、買手にとって御社は「必要性が低い」ということになります。
したがって、戦略は必然的に「トーク内容」や「見せ方」などの「セールステクニック」に頼らざるを得ません。
しかし、いずれ時間の問題で必要性が無いことが広く認識され、その事業は終焉を迎える訳です。 逆に、Bの設問に「?」
の場合には、これからマーケティング(事業戦略=売れる仕組み作り)をしていけば問題は解決します。

つまり、生き残る3%に入るためには、あらためて「存在理由(誰の何のためにどんなことをする企業なのか)を
見つめ直す」
ことで、売手本位(Win-Lose)の思考を捨て、買手本意(Win-Win)のマーケティングを考えていくことが
必要なのです。



次に、市場を3次元(X軸・Y軸・Z軸)で検証してみます。

一般的には、マーケティングは「市場を縦と横に同時に広げていく」ための戦略 であると言われます。
 
◆横に広げる・・・市場への集客


1つのことを同時に何人に
伝えられるか

<<宣伝・集客による興味付け>>
「1:mas」のmasの大きさに比例し、宣伝媒体と内容が広がりを決める

⇒瞬発的な経済を生む

◆縦に広げる・・・市場のリレー

1つのことを何人先まで
伝えられるか

<<商材の本質・仕掛けの精度>>
商材の本質(感動)、インパクト、話題性、仕掛けの精度が深さを決める

⇒経済の安定を生む
「横は見せ方/縦は本質」、「横は衝動/縦は感動」、「横は媒体/縦は正体」、「横は経済/縦は安定」・・・etc.

この縦と横(X軸とY軸)は、どちらも目に見えるものです。
しかし、10年後に生き残る3%に入るためには、同時に 目には見えない「奥行き(Z軸)」を広げることが必要になります。

ひと昔前までは、「2次元経営(X軸とY軸だけ)は10年が限界」と言われていましたが、今は更にその速度が速まり、「2次
元経営は5年が限界」とまで言われています。 その生命線とも言える「3次元(Z軸)」こそ、先の「Cメッセージ」なのです。


◆目に見えない奥行き(Z軸)=メッセージ

Z軸は「時間軸」とも呼ばれ、何年先までこの市場が存続するか、
という物差し

<<時間軸はメッセージ(社会貢献・社会への影響)に比例>>
・一過性のSP(セールスプロモーション)では、時間軸は不要である
・本質に直結するため、時間軸が無い市場は縦に広がりにくい
・メッセージとは、キャッチコピーではなく、あくまでもマインドであり、人の心を
 動かし巻き込むもの、影響を与えるもの。すなわち「感銘」である。

冒頭でも、マインドを構成する5つが「全て矛盾せずに揃っていることが必要」だと書きましたが、多くの経営者の方が、
ABは常に考えていますし、@Dは、言えばすぐに納得します。 ところが、なかなか理解できないのが「Cメッセージ」なの
です。

しかし、言い方を変えれば、「Cメッセージ」の欠落による不完全なマインドの企業は存続しようがない、のです。
なぜならば、奥行き(Z軸)は「時間軸」だからです。



例えば、「安く売る」ことは、一見、お客様のためであるように見えて、実は値段だけで判断する文化を推し進めていく作業で
あることは第1回でも書きましたが、一歩進めて、「良いものを安く売る」ことは、先述の「存在価値」となります。
しかし、それだけでは足りないのです。(詳しくは第4回参照)

そこでさらに進めて、先の「買手本位の存在理由(Win-Win)」と照らし合わせて考えると、「良いものを安く売ることで家庭に
喜びと幸せを提供する」というレベルに引き上げることができます。 すると、「誰のためにどんなことをするのか」に焦点を
当てたことによって「メッセージ」が導き出され、「家族の笑顔を作る」という社会貢献と社会への影響を明確に設定すること
ができるのです。

この「メッセージ」のキーワードによって、ポスターやチラシの写真、パンフレットや宣伝のイメージ、会社やお店の雰囲気、
接客態度、社員教育、企業努力、キャッチコピーなど、全てに対して「家族の笑顔」を中心にしたマーケティングを行なうこと
ができ、その結果として、その価値が欲しいから多少遠くても買いに行きたい、多少高くても買いたいと思う、という認識と
価値観を生む
ため、長期的に続く市場を手に入れることによって、10年後も生き残る3%の企業に入ることができるのです。

                  つまり、「想いがなければ誰の本質にも届かない」のです。

だからこそ、「メッセージ」は「時間軸」であり、長期的で健全な経営には「存在理由」と「メッセージ」が不可欠なのです。
そして、マーケティングとは「事業目的に向けた行動の最適化」ですから、「Dベクトル」(企業理念、事業の目的と理由)ナシ
には何も始まらない、ということも付け加えておきます。


前回(第4回)は左脳的な概念から、今回は右脳的な概念からマーケティングを考え、そして2回にまたがるかたちで、お客
様本位の「存在理由(Win-Win)」と「メッセージ(社会貢献・社会への影響)」の重要性を書きましたが、私たちが「トリプル
Win」
を提唱し、本コーナーで「トリプルWinマーケティング」を掲載している理由はまさにそこにある訳です。


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