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女性と起業 「103万円の壁」とは何か



高橋あづさ税理士事務所 税理士  高橋 あづさ

看護師・保健師・税理士のトリプルライセンスの変わり種。『必要な人に、必要なときに、
必要な分だけ』ケアを提供できる仕組み作りがしたい」というnurse mindで、クライアントのニーズに応じて臨機応変、オーダーメイドなサービスが提供できる税理士事務所を構築中。 「こだわり起業」に特化した税理士を目指している。


一般に主婦と呼ばれる女性の働き方には「103万円」と「130万円」のラインに壁があるといわれています
が、この「壁」はどのような「壁」なのでしょうか。そして、この「壁」は女性が起業をする際に考慮しなければ
いけないものなのでしょうか。

■「103万円の壁」の実体は「38万円」

「配偶者控除を受けるために『パート収入』を103万円以下に抑えたい」という話はよくききますが、では、
パートタイマーとして雇われるのではなく起業する場合はどのような働き方ならば配偶者控除を受けること
ができるのでしょうか。

「配偶者控除」を受けるためには「合計所得金額が38万円以下」でなければなりません。
「あれ?103万円ではないの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、「合計『所得』金額」なので
38万円で間違いはありません。「収入」と「所得」は似て非なる言葉です。収入から経費を差し引いたもの
を所得(収入−経費=所得)といい、所得税の配偶者控除が受けられるかどうかは収入ではなく「(合計)
所得」で決まります。

パート収入(給与収入)の場合は、自分で経費を計上することはありませんが、その代わりに国のほうで
一定額を「給与所得控除」として控除して所得を計算してくれます。例えばパート収入が103万円の人の
場合は、103万円から給与所得控除65万円をひいて103万−65万=38万 で、所得は38万円になり
ます。従って、他に所得がなければ、給与所得38万円、合計所得金額も38万円、よって、「合計所得金額
が38万円以下」という控除対象配偶者の要件に該当して、配偶者控除を受けることができます。

つまり、配偶者控除の本当の壁は103万円ではなく38万円にあります。ただし、「収入」「給与所得控除」
「所得」というと複雑でわかりにくいので一言で「主婦のパートは103万円」といっています。

個人事業者の場合は仮に収入が同じであっても、経費はそれぞれ異なるので、一概に「103万」ということ
はできません。
たとえば、個人事業者で300万円(>103万円)の売上(収入)があったとしても、経費が270万円かかっ
ている場合の所得は300万−270万=30万(≦38万)なので、配偶者控除を受けることができます。
反対に売上(収入)は100万円(≦103万円)だとしても、経費が50万円の場合の所得は100万−50万
=50万(>38万)なので配偶者控除を受けることはできません。
また、青色申告特別控除の適用があるかどうか、あるとしたら10万円なのか65万円なのかでも変わり
ます。ただ、いずれにしてもポイントは「38万円」です。

なお法人をつくって役員報酬を受け取る場合は役員報酬も「給与収入」なので考え方はパート収入と同じ
です。

■「130万円の壁」の実体はひとそれぞれ

103万円の他にもう一つ「130万円の壁」があるといわれています。これはパート収入などの場合は、
働く時間と日数をいわゆる正社員の3/4未満にして、年収を130万円までに抑えておくと配偶者が加入
する厚生年金や健康保険の被扶養者でいることができることができるためです。

もしこれを自分で負担するとしたらどのくらいの負担になるのでしょうか。
まず国民年金、月額 13,860円 年額で166,320円(口座振替で前納すると3,490円割引)
これは収入や所得にかかわらず全国誰でも同じです。

次に国民健康保険料ですが、 これは所得によって金額が違います。また市区町村ごとに計算方法に若干
違いがあります。東京都のある区の計算式で計算してみたところ所得70万円(パート収入でいうと135万
円)の人で約7万円になりました。

国民年金、国民健康保険あわせて30万円くらいの数字になります。収入ベースで103万円だと負担0円
で、135万円だと約30万円の負担増。収入が32万円増えても、支出が同じくらい増えるのでは、これは
確かに「壁」かもしれません。

ただし、これは会社で社会保険に加入してるサラリーマンの妻の場合です。配偶者が国民年金に加入して
いる自営業者の場合は、妻自身の収入の多い少ないに関係なく、もともと妻も国民年金保険料を納めて
います。また健康保険料も国民健康保険の場合は、扶養であるなしにかかわらず加入者の人数が金額に
影響するので、130万円を超えたからといって急に保険料が跳ね上がるということはありません。
したがって配偶者が社会保険に加入していない自営業者の場合には「130万円の壁」というのはほとんど
存在しないに等しくなります。

また、妻自身が自営業者の場合は、収入ではなく、「収入−経費」が130万円までかどうかで判断して
くれる健康保険組合もあれば、「自営業者として自立して働こう」と決意し、開業した時点から被扶養者では
ないと判断する会社もなきにしもあらずのようです。が、いずれにしても、この場合も「130万円の壁」では
ありません。

■「壁」は38万円にあらず

ところで先程から「壁」と書いてはきましたが、配偶者控除を受けられなくなることや、自分自身で社会保険
料を納めることは本当に「壁」なのでしょうか。
そして、その「壁」はその中にいると貴女を一生守ってくれるような堅固な「壁」なのでしょうか。人生のある
時期、壁の中で力を蓄えたり、次の世代を育むことは否定しません。また、壁があることを知識として知って
おくことは必要だとは思います。しかし、その壁は自分自身の夢や仕事をコントロールしなければいけない
ほどのものなのでしょうか。
本当の「壁」は、「配偶者控除の範囲内で働けばいいではないか」とささやく配偶者であったり、その「壁」を
打ち破れない自分自身の心の中にあるのではないでしょうか。

起業を志したらからには、この「壁」をただの「壁」におわらせず、一緒に「ジャンピングボード」に変えていき
ましょう。
高橋あづさ税理士事務所 税理士  高橋 あづさ



高橋あづさ税理士事務所の合い言葉は「感動はCAN DO!」
「夢をかたちに、こだわりを仕事に」したい方を数字の面からお手伝いしたいというのが私たちの夢であり、
こだわりです。
会計ソフトの導入や初期指導・開業前の相談に積極的に取り組んでいます。
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