【はじめに】
就業規則とは何かと申しますと具体的には「職場の憲法」です。労働基準法第89条では「常時10人以上の
労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」と定められて
います。 それでは10人未満の会社は作成する必要がないのかと言えば、そういう訳でもありません。
最近は様々な労使トラブル(後述)が頻発しておりますので、会社設立の際には必ず作成し、従業員に
周知することをお勧めします。
【なぜ就業規則を作成するのか】
⇒労使トラブル防止、職場の透明性確保、円滑な職場運営の形成
就業規則を制定しないと、以下のような労使トラブルに遭遇することがあります。
@解雇
解雇理由を明文化していなかったため、裁判沙汰となり、敗訴した。
A従業員の休職又は失踪
休職(失踪)してから1ヵ月経過したが、退職に関する規定がないので、どうすべきか分からない。
B退職後に元社員が会社に残業代の未払い賃金を請求賃金規程がなく、その都度裁量で支給していた
ため、正確な残業代が算出出来ず、労働基準監督署より是正勧告の行政指導を受け、3ヵ月遡及して
合計200万円以上の残業代を支払った。
以上のように、労使トラブルを防止し、円滑な職場を形成するために就業規則の重要性は今まで以上に
高まっています。これからその作成方法について順を追ってご説明致します。
【作成手順】
@経営理念の作成⇒従業員との目的の共有化
最初に行うことは経営理念の作成です。まずは経営者として「会社をどのようにしたいのか」を箇条書きして
下さい。 そうすると幾つか共通の言葉が書かれているはずです。
その言葉を必ず経営理念に反映させてください。
次に同様に「会社が求める従業員」について箇条書きして下さい。 この2つを合わせて就業規則の前文に
記載します。 これは就業規則の作成において最も重要なことですので、慌てずにじっくりと時間をかけて
練り上げてください。
A原案の作成
次に現在実施している労働条件、職場規律を箇条書きして下さい。
その中で就業規則に必要な事項を選定して下さい。
なお、最近の労務トラブル防止策として「解雇、個人情報、セクハラ、休職」に関する条項は
必ず記載して下さい。
B具体的内容の検討
先のAで選定した事項につき、労働条件、職場規律に合わせて具体的に検討します。
C各事項の分類・条文化→見出しの設定
先のBで検討した具体的内容を分類し、条文化します。
そして条文に対する見出しを設定します。
【従業員への周知・意見集約】
就業規則(案)が確定しましたら全従業員に回覧し、意見を求めて下さい。
周知期間は最低1週間は必要です。
【労働者代表の選出】
従業員の中から就業規則(案)に対し、代表して意見を表明する者を選出します。
方法は「話し合い、推薦、投票等」によります。 注意事項としては以下のとおりです。
@管理・監督者は除くこと。 ただし、いずれの方法においても参加する権利はあること。
A事業主による労働者代表の指名をしないこと。
【労働者代表からの意見を踏まえての検討】
労働者代表による意見が纏まりましたら、それを踏まえて就業規則(案)を修正出来る余地があるか否か等
を検討します。 修正した場合は再度全従業員の意見を求めます。 なお、意見がない場合でも意見書に
「特に意見無し」等の労働者代表による署名(鉛筆不可)が必要です。
【労働基準監督署への提出】
労働者代表の意見が纏まりましたら労働者代表に「意見書」に署名してもらいます。
そして、「届出書」及び就業規則と一緒に添付の上、所轄労働基準監督署へ提出します。
なお、いずれの書類も写しを持参し、受理印を押印してもらって下さい。
【労働者への周知】
全従業員に就業規則が労働基準監督署に受理された旨を周知します。
なお、就業規則は全従業員に配布、もしくは誰もがいつでも閲覧可能な場所に配置します。
これで一連の手続は完了です。
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長島社会保険労務士事務所 代表 社会保険労務士 長島 渡
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就業規則は以上のような手続を踏まえて作成することになりますが、詳細は私どもの事務所にご相談
いただければ作成に関するアドバイスをいたします。
また作成から労働基準監督署への提出まで一連の手続の代行も行っておりますので、
まずは一度ご相談下さい。
長島社会保険労務士事務所ホームページ
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